防湿庫&瓶詰保存の枝豆の種が常識を覆してきた

エダマメ

先日のスイートコーンに引き続き、今回も、カメラ用防湿庫にて脱湿して常温で保管した種がかなり良い発芽率を示したというお話です。

まず冒頭の写真、これ、先日セルトレイ播きした枝豆の芽なんですね。

120粒中119粒が正常に発芽しています。(真ん中の一列は播き忘れ。セルトレイあるあるw)

発芽率にすると、99.16%

枝豆の発芽率としてはかなり良い、というか、これ以上ない発芽率です。

で、ここからが本題で、

驚くなかれ、この種たち、一昨年の秋に自家採種して1年半経過したヒネ種なんですよ!!!

一般的に「大豆の種の寿命は短く、二年前の種はもう使えない」というのが菜園業界の常識になっている中で、この結果には自分でも割と困惑しているというか、「大豆が短命説とは何だったのか・・・?」状態になっています。

しかも、この種の保存方法というのが、なかなかの省エネ高コスパで、具体的に言うと次のような感じ。

晩秋に刈り取り→脱穀するまでの数日間冬の空っ風に当てて乾燥したのち調整&選別→カメラ用防湿庫を相対湿度30%に設定し、庫内で数日間なじませたのち瓶に密封→常温の暗所(戸棚の中)にて保存

このなかでも特に重要なポイントは、冷蔵でも冷凍でもなく常温という点だと思うのです。

うちの防湿庫は、東洋リビングというメーカーの乾燥材自動加熱式のもので、冷蔵機能はもちろんついていません。冷蔵庫ではないのでね(笑) その一方で、電気代は恐ろしく安く、年間で缶ビール一本分いくかいかないかという省エネ機器なんですね。

また、防湿庫で脱湿した後は100円程度で買えるスクリュー蓋の汎用瓶に密封しているため、ランニングコストはほとんど無視できるほどに安いのです。

これが冷蔵庫保存となると、電気代だけで年間ビール1ケースほどの価格になるはずで、仮に種の保存を唯一の目的として単純化して考えた場合、年数が積み重なれば重なるほど、冷蔵庫VS防湿庫のランニングコストの差は顕著になっていくのではないかと思われます。

ま、種の保存を唯一の目的として単純化できる人がいるとすれば、その人はもはや一般人ではなく、ガチ農家とか菜園マニアとかしかいないと思うので、あまり参考にならないかもだけど(笑) 

逆にガチ農家なら種専用で防湿庫買う価値あるかも?くらいにはランニングコストの差が出る計算になります。

相対湿度は常に約30%近辺にしています。このくらいだと、種の中の自由水はほぼ失われ、種子の代謝が完全に止まるらしい。逆に湿度5%とかだと、化学的な結合水まで失われて、それはそれで悪影響があるらしい。
一昨年の11月に自家採種した種

まあいろいろとめんどくさい話は置いておいて、結論から言うと、

一年で死ぬというのが通説な枝豆の種が、常温でひと夏超えて2年目の春、ほぼ100%の発芽率を示した。コントロールしたのは湿度だけで、その方法も相対湿度30%の空気中で脱湿して瓶詰にするだけという簡易的なもの。

という、なかなか有意義な実験結果が得られました。

これまでの常識や定説にとらわれて、「枝豆の種はすぐ死ぬ」とか「種は冷蔵庫保存が最適」とか、思い込んでいた自分がちょっとはずい。

「枝豆の種はすぐ死なないし、冷蔵じゃなくても全然大丈夫」っていうのが実際の現象だったので。

何事も実際にやってみて常識をアップデートする必要がありそうです。

とりあえず最近は、「種の保存はとにかく低湿度。これが重要。低温とかは二の次」っていうのが僕の中で常識になりつつあります。

あとは、この枝豆の種をあと何年常温保存できるか?という実験をしてみます。

もし5年など常温保存できれば、自家採種や遺伝資源保護に大いに役立つと思うので。

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