新たまねぎの季節

タマネギ

菜の花たちが呆け、長ねぎがトウ立ちして硬くなり、野菜が枯渇しそうになる4月初旬ころ、救世主のごとく採れ始めるのが極早生のたまねぎたち。

俗にいう新たまねぎというやつ。

瑞々しくて生で食べれてめっちゃ美味で、僕もそうだけど、特に彼女はこれがかなりのお気に入りみたいで、収穫が始まってから2週間、毎夕欠かさずもっさり大量のオニオンスライスを食べています。

美味しさの点でも、端境期の救世主という点でも、もはやうちの畑の春に欠かせない作物となっています。

そんな極早生たまねぎたちなのですが、冬がちゃんと寒く、春が暖かく、気温にしっかりメリハリのあった今シーズンは、いままでになく大豊作となっていまして、4月中旬現在、20mの畝に5条植えした600株強が一斉に収穫ピークを迎えています。

今年の極早生品種は「貴錦」「改良雲仙丸」「トップゴールド305」の3種

冬が異常に暖かかった昨シーズンは、冬の間の休眠と成長のバランスが崩れたことが原因で、収穫時期になっても茎が倒れず、半分近くの個体がトウ立ちを起こし、散々な結果に終わりました。

一方、今年はトウ立ち率がほぼゼロです。

たまねぎ栽培の難しいところは、トウ立ち率と収穫物の大きさがトレードオフ的関係にあることでして、トウ立ちを少なくするために種まきを遅らせると、冬越しの生き残り率が下がり玉も小さくなり、かといって生き残り確率を上げるために種まきを早めると、春のトウ立ち率が上がり・・・という、まさにこちらをたてればあちらがたたずな絶妙なバランスをいかに調整するかというのが腕の見せ所でもあるのです。

でも正直、毎年こうして極端に気候が変動すると、栽培者の腕というより、気候頼みの賭けという感じもしなくもないです。

というのも、凶作の昨シーズンと豊作の今シーズン、どちらも種まきタイミングは9月初旬、植え付けは11月初旬で、ほぼ同じ栽培スケジュールで管理しているし、土作りに関しても、夏の緑肥を初秋に漉き込むやり方は同じでしたからね。

つまり、ことしの豊作は、僕の栽培管理が良かったというより、気候が良かったということ。

この結果から推察するに、極早生たまねぎって、僕が思っていたよりかなり低温寄りの冬が好きみたいですね。この冬は、瞬間的な最低気温でいえば、まちがいなくここ10年で一番寒かったですけど、それでもたまねぎの苗が枯死することはなく、むしろしっかりと休眠スイッチが入ったことで、春のトウ立ち率が劇的に下がり、全体的な収量はとても増えましたので。

まあそんな蘊蓄はともかくとして、

これからしばらくはたまねぎ三昧の食卓が続くのは確定で、うれしき事この上ないです。

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