今年の春ごろ、僕らのうちから4軒隣り(といっても800mくらい離れてるのだけど)に住む移住組の夫婦と知り合いまして、それからほぼ毎週お互いの家を行ったり来たりする仲となりました。彼らの家にも薪ストーブがあり、薪好きが高じてか、だんなの方が副業で薪屋を始めて、その薪屋の顧客のマダムが僕の彼女の通う洋裁教室の生徒さんだったというのが邂逅のきっかけです。
そんな彼の属性を数語で表すとするなら、取材業、執筆業、薪ガチ勢、コミュ力、寝ない、オフロード、多趣味、行動力、とかそういう感じで、
まあとにかくじっとしてない(笑)
ので、様々な場所をうろついては原木の入手ルートを開拓してきまして、若干供給過剰気味な薪原木のおこぼれを我が家で頂戴するというありがたい状況が生まれました。彼、さすがに薪屋なだけあって、ナラとかクヌギとか薪に最適なブナ科の原木を見つけてくるのよね。
そういうわけで、うちのぶんの薪原木は今後3年分くらいは確保することができていまして、そのほとんどが素性のいい、斧で割りやすいサイズの原木なこともあり、僕の運動を兼ねて毎朝数玉ずつ斧で薪割をする牧歌的薪活が我が家に戻ってきました。
で、彼の薪熱に絆されて斧を新調したりもしました。
ヘルコ社のヘリテイジスプリッティングアックスとかいうお洒落なやつを。
そのお洒落みゆえに半年で柄が折れるやつをな。
このメーカーの斧の柄は、アメリカンヒッコリーっていう強度高めな素材で作られているっぽいけど、少なくともこの個体は普通に使ってて半年で折れました。木材なので個体差といえばそれまでだけど、やっぱメリケンの木はだめですわ。
交換用の柄は販売されているのだけど5000円くらいして地味に高いし、それがまた折れたらと思うと買う気が全然しない。そもそも、アメリカンヒッコリーの手触りがいまいち萌えないんよな。
うん、やはり、日本男児たるもの、斧の柄にはあの材を使うべしってことで、倉庫の奥からカリカリに乾いた樫の一枚板を引っ張り出してきて、おもむろに加工開始。
洋斧によくみられる木楔と丸楔の組み合わせは、今回実際に柄を外してみてよくわかりましたが、固定力が半端なく高い方式ですね。柄穴のテーパー加減と相まって、まず抜ける気がしません。
また、柄の長さを純正品より少し長くしたのは、もう一つの和斧の長さと合わせるため。その和斧はヘルコの斧よりもずいぶん昔から使ってるので、身体の延長としての斧の長さはそっちの方がしっくりくるのです。
あそれと、最後に、ビニールハウス用19mmパイプを縦に切断した部材を用いて、ヘッドの付け根の部分に補強を施しておきました。この部材も折れた柄に着けていたものの再利用です。ここに補強があるのとないのとではスカった時の柄の傷み具合が全然違うのですよ。
このあと軽く薪割りしてみましたが、やっぱり日本人には樫だわーってなりました。
掴んだ時のしっとり感がなんかしっくりくるんだよなあ。
薪にヒットする瞬間のバイーンっていう弾力も、馴染のある感触。
そしてなにより、日本の木で自分で作った柄っていうのが、もう親しみしかない。
明日からの朝活薪割ルーティンがちょっと楽しくなりそうです。
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