スナップエンドウとグリーンピースは自家採種が簡単な部類なので、うちでは毎年自家採種することにしています。
その方が安いし、発芽率がいいからです。
最近知ったのですけど、現在の種苗メーカーって、毎年新しい種子を採種して販売しているわけではなく、何年かに一度大量に種を採り、それを数年に分けて販売するのが主流らしいのです。
メーカーも一応発芽試験をしていますが、発芽試験は発芽に最適な温度や水分を機械で整えて試験されますから、実際畑に播いてどうなのか?っていうのまではわからないんだって。
なので、ハズレの年のロットにあたると、発芽率や発芽勢が微妙なこともたまにあります。
そういうロットはたぶん、発芽試験は条件がいいからパスできたけど、実際の畑では発芽勢が足りなかった、ってことなのかなって思っています。
一方で、自家採種した種を次のシーズンに使うっていうサイクルだと、毎年一番新鮮な種を使うことができ、採種から播種までの管理も自分でやるので安心なのです。
それと、これは自家採種の一番の意義だと思うのですけど、自家採種すると作物がその土地になじんでくるっていうのが結構目に見えてわかるのですよ。
例えばスナップエンドウの場合、「耐寒性」のような、栽培して種を採るだけで自動的にある程度の選抜淘汰が行われる性質に関しては、一回栽培&自家採種するだけでだいぶ変わります。
うちのスナップエンドウは、笹とか不織布みたいな霜よけをせず野ざらしでも、全く問題なく冬越ししていまして、この点に関しては購入種子と全然違います。
そうやって栽培しやすい個体を残すことを、種が土地になじむって表現するの。
人によっては、自家採種すると「種がそこの土や気候を記憶する」っていう言い方もします。
僕個人的にはそれはないなって思いますけどね。
結果的に見て「種が環境を記憶してる・・・ように見える」っていうのが正しいのかなって。
まあ結果的に同じなのだから、言い方としては「種が記憶する」っていう表現もロマンチックでいいとは思うけど。
そんなわけで、梅雨前の今の時期は、エンドウ類の自家採種のタイミングなのです。
一般的にエンドウ豆の自家採種は「カラカラになったら収穫する」って言われてますけど、この時期のエンドウ豆はまだ茎も莢も緑色で、カラカラっていう表現は全然あてはまりません。
どっちかというと、しなしなって感じ。
でもうちはこの”しなしな”で採っちゃいます。
なぜかというと、うちの地域だと、この時期はもう梅雨の走りなので、カラカラを待っているとカラカラになる前に高確率で長雨にあたってカビてしまうからなのです。
このくらいでとってしまって、あとは莢ごとかごに入れ、晴れの日は天日干し、雨の日は部屋干し。そんな管理を2週間ほど続ければ、カラカラっていう感じになってきます。
カラカラになったら莢から種を採りだして、うちの場合、カメラの防湿庫で理想的な含水率まで水分を落として、あとは瓶に入れて保存してます。
それだけで、畑での発芽率は90%以上になりますし、その後の生育も全く問題ないです。
量的にも、収穫初めに1m幅の種採りゾーンを決めて、そこからは収穫しないようにしておけば、300mlくらいは余裕で採れます。
市販の小袋が30ml入りとかですから、300mlはそこそこ大量です。
それがただでゲット出来て、発芽率もいい。
ほんと、やらない理由がないです。
もっといろんな人がみんなやってほしいなー、自家採種。
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