庭のあんずの種から本気の杏仁豆腐を作る

果樹とか

今年はわりと豊作だった庭のあんず。

先週全部収穫して重さを量ったら9kgもありました。

彼女が夜な夜な作業して、1kg強は半分に切ってキビ砂糖をまぶしてシャーベットに、残りはキビ砂糖30%の酸っぱめジャムになりました。

ジャムは15ℓの寸胴の半分くらいあったので、いまは冷凍庫がパンパン。うれしい悲鳴です。

さて、そんなあんずなのですが、今年はシャーベットとジャムのほかにもう一品、ちょっと意外なものを作りました。

それは、杏仁豆腐。

よくよく考えてみれば、杏=あんず、仁=種の中の白いやつ、なので、意外でも何でもないのですけどね。

いままで、杏仁豆腐ってそもそもいったい何なのだ?ということにすら考えを巡らせたことがなかったので、その単純な事実に気づいて、

「ここにあんずの種が大量にある。杏・・・仁・・・。つまり・・・杏仁豆腐!作ってみるか!」

ってなった時はちょっとしたアハ体験的感動を覚えました。

杏仁、毒がある説

アハ体験の興奮が冷めやらぬまま、作り方とかを調べるためにいろいろググった結果、作り方は簡単そうなのがわかったのだけど、ちょっと恐ろしめな情報も発見してしまったのですよね。

杏仁には青酸化合物が含まれてて中毒の原因になるかもっていう。

もっと子細に言うと、バラ科の果実(あんずとか梅とかビワとか)の仁には青酸化合物の元になる「アミグダリン」という成分が含まれていて、仁を刻んだりすると、仁自身が持っている「エムルシン」という酵素が滲んでアミグダリンを分解し、まず「マンデロニトリル」っていう物質ができて、それがさらに分解されて「ベンズアルデヒド」「青酸化合物」が同時にできるらしい。

で、この「ベンズアルデヒド」っていうのが杏仁豆腐のあの杏仁香の主成分なのだそう。

つまり、あんずの種から杏仁香成分を採るためには青酸化合物は避けられないっぽい。

すなわち、虎穴に入らずんば虎子を得ず。

  

ええ・・・(困惑)

   

ってなったのですが、

実際には、あんずの種から杏仁豆腐を作っているブロガーとかがいっぱいいる割に「中毒になりました」っていう人は皆無だったので、常識的な量(杏仁豆腐に杏仁香を付けるくらい)なら大丈夫でしょ?っていう希望的観測をもとに作戦を強行しました(笑)

種のガードが硬すぎて指を負傷・・・

ネット情報によると、あんずの種は超硬いので、仁を取り出すのが大変とのこと。

でもちょっとしたコツもあって、種のへそのとこにドライバーとかを当てがって叩けばきれいに割れるらしい。

のですが、

実際にそうやってみるとこれが結構大変なのですよね。

いや、まあ、今回はちょうどいいドライバーがなくてモーラナイフを種のへそに当てがってやってみたのだけど、だいたいの種で左右どちらかに偏って殻が割れて、仁がきれいに取れないんです。

で、きれいに取れない仁をナイフでほじくってたら、

ナイフが左手親指に刺さったwww

よりによってこの前研いだばっかのキンキンのやつが。。。

正直ね、めっちゃ萎えました。

で、その後は半ば自暴自棄になって、玄翁で割ることにしました。

仁が多少砕けようがもう構わん!って。

すると、種の破片を盛大にリビングにまき散らしながら何個か割るうちに、コンクリート(今回は薪ストーブの炉台)の硬い場所を台にして、種の両脇腹方向から力が加わるように叩くとパカッてきれいに割れることがわかりました。

最初からこの方法でやればよかったー。

僕の左手の切り傷と引き換えに得た貴重な情報です。ぜひお試しください(笑)

取り出した杏仁を粉砕&加熱&濾す

本来のレシピでは、取り出した杏仁を一晩水につけ、薄皮をふやかして取り除く工程があるのですが、

左手を負傷してめっちゃ萎えていた僕に、わざわざそんな面倒な工程を踏む気力は残っておりませんでした。

なので、薄皮付きの杏仁に適当な量の水を加え、そのままミキサーでGO!!

その後、数十秒ミキサーをかけてドロドロになった杏仁液を5分ほど火にかけたのち、コーヒーフィルターで漉しました。

杏仁のドロドロをドリッパーに投入したら、そのまま10分間静置し、ある程度エキスが濾された段階で、上から少量のホワイトリカーを注ぎ、二番出汁をとりました。

こうして、100粒ほどのあんずの種から、150ccの杏仁エキスを抽出することに成功しました。

この段階で、これまでの人生で嗅いだことがないほどの圧倒的杏仁香が部屋中に漂っていました。

ちょうどお風呂から出てきた彼女も、この部屋に入った瞬間「うわー!めっちゃいい匂い!」とはしゃいでました。

本物の杏仁豆腐、完成する

前にも言ったかもしれませんが、彼女の本職は菓子職人です。

なので、今回の僕の仕事は杏仁エキスを抽出するまでで終わり。

あとはプロに任せることにしました。

で、半日後、出てきたのがこれなわけ。

仕事の都合であんずジャムのタルトも一緒に作ってて、これがまずめっちゃうまそう。

だけど今回の主役は左の白い方。

  

ということで、

最初の一口は白い方を、半ば恐る恐る食べてみると。

パクッ・・・

・・・こ、これは!!杏仁豆腐!!!

ってなりました(笑)

いや、そりゃガチの材料で杏仁豆腐を作ったのだからそうなるのは当然なのだけど、今まで謎のうまい食べ物だったアレが、うちの庭で採れた材料で再現できるのがとても新鮮でした。

それに、市販品と比べると鼻腔に押し寄せる圧倒的杏仁感がだいぶすごくて、超絶美味!

わりとまぢのがちで超美味い!

もうね、香りの密度が違うのよ。

それでいて全然しつこくないし、渋みとかも全くない。

彼女からあとで聞いた話によると、この杏仁豆腐の作り方は、砂糖と生クリームと牛乳と杏仁エキスをアガーで固めるだけっていう、ごくシンプルなものらしい。

そのわりに、たぶん今まで食べた杏仁豆腐の中で一番美味い気がしました。

  

ちょっとビビってた青酸化合物についても、「ペロッ・・・こ、これは!!青酸化合物!!!」っていう風にはならなかったです。

杏仁豆腐で2カップ、あんずの種に換算すると約20個分を1日で食べましたが、それから2日経った現在、特に体に変化はありません。

いや、まあ、変化があったらやばいんだけどね(笑)

とりあえず何もなくてよかったー。

これは来年もあんずの種で作るしかないな。杏仁豆腐。

コメント

  1. いり より:

    大根のコメントありがとうございました。
    今年は人参を育てる予定なので緑肥をやってみたいと思います。無難にソルゴーがいいです?

    聞いてばかりであれなので、杏仁について
    生薬として使われる杏仁(キョウニン)ですが、市販薬ですと麻黄湯、五虎湯等に使われており、咳止めとして使われています。
    http://www.tokyo-shoyaku.jp/f_wakan/wakan2.php?id=57
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%82%B0%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%B3#:~:text=%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%82%B0%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%B3%20(amygdalin%20%2D%20C20H,%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%B3%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E3%82%92%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82
    これらから見るとどうも成熟した仁からは青酸はあまりでないようですね。
    生薬として使う場合もどうも未成熟の段階でとるようで、その場合苦みが多いそうです。
    致死量は未成熟な青梅100個ぐらいだそうで、熟れていればほとんど影響はないさそうですね。

    • pontsuyo pontsuyo より:

      緑肥はソルゴーでいいかなと思いますが、今から栽培して、それをすき込んで、ニンジンの種まきに間に合うか?というとちょっと微妙ですね。
      ソルゴーっぽいデカい雑草をどっかで刈ってきてすき込むならワンチャンありかもです。

      ちなみに、僕の父が畑をしていたところは、ナス科→ウリ科→マメ科→アオイ科っていうネコブ線虫の宿主をループで輪作してまして、もはや線虫の培地みたいになっていました。なので、ニンジンとかビーツとかみたいなネコブ線虫に感受性の作物を植えると、一瞬にしてこぶができて、まともなのができたためしがなかったです。

      その畑が、一回だけソルゴーを栽培して、それを土に埋め戻しただけでだいぶまともなニンジンができてて、すごい感動した覚えがあります。
      周りの菜園親父衆も興味深そうに見てましたが、彼らは根粒菌とネコブ線虫の区別もつかない(っていうか理解しようとしない)ので、普及はしませんでしたが(笑)

      杏仁については、少なくとも僕と彼女はいまもぴんぴんしてますので、大丈夫みたいですね。