作業小屋の部材の加工は、あと屋根の野地板と広小舞などを残すのみになりました。
この小屋は垂木が105mm角の910ピッチなので、野地板の厚さは一般的な12mmでは少し心もとなく、さらに野地板の室内側があらわしになり、天井板を兼ねるため、ある程度ツルツルに削る必要がありました。
そのため、野地板の厚みは超贅沢に27mmに設定することに。
材料はもちろん、一棟買いした廃業材木屋のデッドストックです。耳付きで32mmに粗挽きされたのが大量にあったので、それを削って成形していくこととしました。
と、
言葉で言うと簡単に聞こえますが、
32mm厚の耳付きの原板から、27mm厚の長方形の板を作るのはかなり大変。
一枚や二枚ならまだいいですが、16.5坪分の板の加工はもはや修行。
丸のこで耳を落として、自動鉋かけて厚みを整え、手押し鉋で側面の直線を出し、再び自動鉋で側面の幅を一定にするっていう煩雑な工程×約160枚。
気の遠くなる作業に心が折れそうですが、
今週はずっと木を削り続けて、なんとかあと半日で終わりそうなところまで来ました。
上の写真の板は、185mm×1820mmに成形完了したもので、最初は全部この寸法でそろえる予定でしたが、デッドストックには185mm取れない原板もたくさんあって、それらを除けながら幅広原板を引っ張り出すのが大変になってきたので、全体の3分の1は幅をそろえず90mm~130mmのランダムな幅で妥協しました。
ちなみに、27mmの厚さで垂木910ピッチはどうなのか?
という点についてですが、馬を910ピッチで二本並べて、その上にこの板をのっけて、僕がその上に乗って確認したところ、それに関しては全然問題はなさそうでした。
この板はほとんどが杉で、檜もちらほら混じっていますが、檜なら1200ピッチくらいでも全然イケそうな気がしました。910なら言わずもがなです。
杉でも、910なら上に乗って折れることはまずない感じにしっかりしてます。
まあ今から考えると、屋根裏スペース確保の目的で母屋を省略し、その分垂木を105角のゴン太にして、ピッチを910にしたのは、野地板の点から言うと微妙な設計だったかも。
30mm構造用合板とか使えばコストも問題ないんだけどね。今回はなるべく無垢の木でやりたかったんだよなあ。
あと、
改めて思ったのだけど、
自動鉋、コレ最強。
これがない時代は全部手で鉋かけて分決めしてたのか、とか、ちょっと信じらんないです。
ちょっと大きめな蔵程度の今回の小屋で、機械を使ってもこの大変さなのに、お城の板とかも全部人力で仕上げてたんだもんなー。
昔の人の根性ってすごいわ。ほんと。
それを思うと、あと半日分の修行もなんてことないものに思えてきた・・・気がする。・・・かもしれない(笑)
とかなんとか、ヘタレな現代人の心をだましだまし、あともう少し削ってきます。
コメント