和室をリフォームして彼女の菓子工房を造る ①畳を剥がして下地造り

母屋リフォーム

彼女のもともとの本職が菓子職人だということは以前何回か書いた通りで、僕が言うのもなんですが、彼女のお菓子は絶品で周りからの評価もとても高く、「また本格的に商売として作ってほしい!」というリクエストを多くいただいていました。

そこで、というか、やっと、といいますか・・・汗

年末ごろから、母屋の和室の一室をリフォームして、彼女の製菓工房を造っています。

母屋は割と築浅な上に、近所の大工さんの渾身の力作で、なかでも特に3室ある和室は、無節の4寸桧で構成されたガチ本格派でして、正直、僕みたいな素人が鑿を入れるのがためらわれるレベルの造り。

とはいえ、彼女の両親が住まなくなった今、3室ある和室は実質物置化して、価値を生まない空間になってしまっており、まあ、僕も名字が変わり婿入りしたようなものでもあるし、ということで、思い切って畳を剥がし、リフォームを開始しました。

この柱に鑿入れるんか・・・
畳も、化学素材不使用のガチのやつじゃんこれ。もったいないな・・・

この和室は2間×2間の8畳間で、リフォーム計画では、まず部屋を2分の1に区切る間仕切り壁を設け、半分を菓子製造部屋に、もう半分を包材や道具置き場兼パッキングスペースとする図面を書きました。とはいっても図面はほんとの青写真で、実際は造りながら細部を変えていくスタイルを採ります。

彼女的には、以前のように毎日フルで菓子職人をする気はないらしく、製造スペースは4畳で問題ないようです。4畳でも、ガスオーブン2台、ガス台、シンク、作業台、コールドテーブルなどを置けるスペースは十分あり、僕としても、動線を考えるとむしろ8畳をフルで菓子製造部屋にするよりは、4畳4畳で役割ごとに部屋を区切る方がいいような気もしています。

そこで、実際の作業としてはまず、部屋を半分に分ける間仕切りの壁を立て、床下地を作る所から始めることにしました。

鴨居の芯に溝を刻み、柱を追加
スペーサーでレベルを調整し、
真ん中に新たな敷居を入れる
敷居にホゾ穴を刻み、柱を差し、上部には新たに鴨居を入れました。
赤身の杉めっちゃきれい!

使用した木材は、敷居は地松、柱は桧、鴨居は無節の赤身杉で、いずれもあのデッドストックです。デッドストックはまだまだ大量にあり、ウッドショック真っ只中の現在でも湯水のごとく惜しみなく使ってます。

ウッドショックはいま結構洒落にならないくらい深刻で、近所の材木屋の若頭によると、ヒノキなどは製品価格がこの2年で2倍、杉も1.5倍、外材は高すぎて競りが成立せず、市場ではじゃんけんで決めてるらしい(笑)

ほんと、あのとき一棟買いしといてよかったー!!

話はリフォームに戻って、

この家は、すべて手刻みの在来工法で、構造材は天然乾燥桧で構成されているため、当時の大工さんのガチの技術をもってしても、30年の月日を経た今となっては、床のレベルの誤差はそれなりに出ていました。この和室でだいたい、基準点プラマイ4mmくらい。

まあ、畳というある程度不定形でふわふわした素材の下地だったわけだし、合板じゃなく無垢の板(ある意味贅沢だよね)なので、プラマイ4mmは全然許容範囲だと思うのですが、素人の僕としては、プラマイ4mmが今後の施工にどう影響してくるかが未知数でしたので、レーザーレベルで誤差を出し、1mm単位でその誤差を消していくこととしました。

レーザーレベルは小屋建築の基礎を作る時に購入した安物ですが、DIYでは十分すぎます。
受光機に定規をセットして水平の光をキャッチ
レベル値を下地に書き込み、その凸凹に合わせて胴縁を削りレベルを出しました

誤差の値を出して、胴縁の厚さで調整し、水平レベルを出した後は、畳の分の厚さを埋める新たな下地を張っていくことにしました。

新たな下地は、これまたあのデッドストックの中から、人工乾燥材の米ツガのひと固まりを選んできました。寸法は105mm×45mmで、だいぶ極厚ですが、もともとの畳が55mmもあったので、45mmがちょうどいい感じ。これを一度自動鉋で分決めして、43mmに揃えました。

ちなみに、この部屋の床の最終的な仕上げは、保健所の検査基準をパスするために、無垢の木派としては不本意ながら、ビニル製のフロアタイルを使う予定。ビニルのフロアタイルって、僕のイメージ的に、凸凹のない合板みたいな現代素材の上に張るものだと思うのですが、今回使うのは無垢の板。これも下地のレベル調整をちゃんとやっておこうと思った理由です。

20本強、これで時価5万(僕調べ)ウッドショックやべえ・・・
米ツガ板を、2mmのスペーサーを挟み間隔をあけながら90mmのビスで根太まで貫き固定していきます
わずかな凸凹も鉋で追い込んで真っ平らにしてみました

いやまじで、このご時世に米ツガ45mmをビニル製フロアタイルの下地に使うって、贅沢すぎる。

内心、ええんかこれ・・・って感じ。

「犯人は、そこに米ツガがあったからなどと意味不明な供述をしており、動機の解明が急がれる云々」とかいう、そういうレベル。

でも冗談じゃなく、この厚さがぴったりだったっていうのはほんとの理由ですから!

胴縁10mm前後+米ツガ板43mm+フロアシート2.5mmで、55.5mm。そのラインが敷居天端マイナス2mmになる設計なので。これは十分に情状酌量の余地ありだね。うん。完全に無罪。

でもね、

ほんと、ウッドショックとかマジでやめてほしいよな。

小屋用材木だけですでに元を取ったといっても過言ではないデッドストックは影響ないからいいけど、将来的に建設を計画中の薪小屋とかブドウ棚とかの梁は新たに買う予定なので、影響は割とデカい。2万の梁が4万はちょっと無理だよなー。

まあ、しばらくはこの母屋リフォームで時間がかかるし、その間にバブルが収まることを願うしかないですな。

とりあえず今はこっちに集中集中。

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