昨年の秋、食べ時を逃して大豆になってしまった遅まきの極早生枝豆がありました。
最初から狙ってたわけではないのですが、結果的に自家採種ができたわけです。
量的には1Lほどの収穫となり、だいたい2000粒の大袋ひと袋分くらい採れまして、購入した分がまるっと帰ってきた感じ。
枝豆の大袋は一袋5000円くらいするので、めっちゃ得した気分でした。
でも一つ問題があって、
昨年改正(改悪)された種苗法に照らし合わせると、登録品種であるこの品種は、新規定にがっつり抵触するので、原則自家採種禁止なのですよね。
改悪前は「ほとんどの品種は登録品種じゃないから大丈夫です!農家の負担は増えないようにします!」とか言ってたけど、さっそく負担なんだけど・・・(困惑)
まあ、大手卵会社から裏金貰ってアニマルウェルフェア法案をもみ消してた大臣&官僚たちの考えたことなんて、どうせろくなものではないのはわかってますので、素直に従う気もないのですが、今回の改正では「自家消費用ならOK」という例外規則も同時に設定されたようで、この種を使って枝豆を育てたとしても、その枝豆を販売しなければ問題はないらしい。
ということで、
ここは農民の意地を見せて、約2000粒全部、うちで自家消費することとします!
偶然にも、この「げんき娘」という品種、今年からメーカーカタログに掲載されなくなったのですよね。
なので、このままいくと数年以内には登録の更新もされなくなって、一般品種に格下げされるのでは?と僕は読んでいます。
そうなったときに、うちで自家消費用で自家採種を続けていれば、そこから品種を復活させることも可能だと思うのです。
そんなわけで、自家採種した種を、一枚目の128穴セルトレーに播いたのが4月10日のことでした。
播種から最初の三日は、去年発見した発芽のコツを踏襲しつつ、薪ストーブのあるリビングの食器棚の上(常時20度以上)で芽出しをし、その後は土蔵の軒下の霜の降りないないところに置き、播種から17日目の今日、定植直前の様子がコレ↓
発芽率はなんと、100%!
去年使った購入種子も発芽率はよかったですが、さすがに100%は出なかったはず。
やはり、夜な夜なゆっくり丁寧に選別作業して、カメラの防湿庫で完璧に水分量を調整して、瓶詰めにして完璧な湿度コントロール下で保存した種は生命力が違うような気がします。
これなら、今シーズン通して、秋まで安心して播けますね。
今年は、発芽率がよく歩留まりも高い分、一つのセルトレーで植えられる距離が長くなったような気もしてます。
今後さらに、少なくともセルトレー10枚分くらいは苗を作る予定なので、この歩留まりの良さが、積もり積もって結構な収量の差になるのは間違いないです。
まっすぐな畝作りの新兵器を開発する
うちの畑では、枝豆に限らず、大体の作物をなるべくまっすぐ一列に植えることを心がけています。主な理由はまっすぐな方が中耕除草が楽だから。
そのため、何かを植えつけるときは必ず、水糸てきなものを使うことになるわけです。
いままでは、特に決まった水糸は作らず、その辺にある麻紐とかサンラインとかを使っていましたが、この前ネギの溝を切ったときに、ふと、
「この、紐をくるくる板切れに巻いて回収する作業、めっちゃ手間じゃない?」
と気がつきました。
4年目にして遅すぎる気づき・・・
逆に、なぜ今まで気にならなかったのか不思議なくらい。
それで、リサイクルショップで安い釣りのリール買えばいいんじゃね?とか、色々と考えたのですが、ちょうどセルフビルドで余った全ネジボルトがあったので、手作りしてみることにしました。
こんなものを。
木の部分は、薪として保管してた樫の木を適当な大きさに切り、手押し&自動鉋で細長い板にして、ほぞの溝を切って、軽く面取りして、ビスで接着しています。
この器具にしてもそうですが、中古の手押し&自動鉋を手に入れてから、薪とか庭木とかの適当な広葉樹を板にすることが可能になり、DIYの幅が超広がっています。
こういう器具を作るには樫の木が一番いいのだけど、樫の木ってそこらへんにいっぱい生えてるわりに、樫の板となるとホームセンターとかじゃあまり売ってないからなあ。
粗挽きの板を自分で製材できるこの道具はだいぶ心強い相棒になりました。
というわけで、午前中に作ったこの器具を、その日の午後イチに、上述の枝豆の植え付けで使ってみたところ、
この器具、水糸を巻き取るという機能に関しては、今までの板切れより10倍楽です。
なぜもっと早く作らなかったのだ、自分。
ただ、この全ネジの部分が鉄なのでちょっと重いですね。
棒の部分の重さは要改善な気がしてます。ここは樫の丸棒の方がいいのかも。
とまあ、
そんな感じで、セルフビルドの道具や技術が、畑の領域にも相乗効果をもたらしている今日この頃です。
百の仕事で百姓、その感覚、だんだんわかってきた気がしています。
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