倉庫小屋の構造材の刻みは終盤に差し掛かっています。
あとは、棟木と、小屋梁の上に直行して乗って垂木を受ける桁を刻むだけ。
棟木と桁は、廃業材木屋のデッドストックに使えそうな背割り無し材がなかったので、材木屋から調達することになり、現在納品待ちです。
さて、
今の現状はそんな状態なのですけど、
納品待ちの棟木とかの刻みに先立ってやらなければならないことがありました。
それは垂木の木取り。
この倉庫小屋、間口が2間強なので、母屋は入れず、その分垂木を太くすることで屋根を支える構造で設計してあります。母屋がない方が施工が楽そうだし、小屋裏がすっきりするかなって思いまして。
なので、垂木の太さは3寸5分角、すなわち105mm角です。
この寸法の根拠は、木造設計の重鎮、丹呉先生&山辺先生の共著書「渡り腮構法の住宅の作り方」という本のスパン表でして、その本によると、この倉庫小屋の置かれる条件、つまり、
積雪の少ない一般地域で、金属屋根で、垂木間隔が910mmで、垂木スパンが2200mmで、軒のはね出しが910mmの場合、
「垂木材料の寸法は90mm角で十分」っていうデータを参考にしました。
15mmプラスの105mmなのは、デッドストックの材料が背割りありのやつしかなかったので、その保険ということで。
それにしても、この丹呉先生&山辺先生の本は、本職の大工だけでなくセルフビルドでもめっちゃ参考になる神本です。もはやセルフビルダーの聖書といっていいレベル。「渡り腮のー」の本のほかに、「ヤマベの木構造」ってやつもブックオフで買って持ってますけど、それも神本なことに違いはないです。
これらの神本のどっちかを買えば、それ以外に教科書はほぼいらないはず。
これらの本、何がいいって、セルフビルダーにとっては悩みどころの梁や垂木の背についての実験に基づいたデータが子細に載っていること。
本職の大工なら、
「あー、この梁はこれだけとんでて、これだけ荷重あるから、このくらいの背で大丈夫だわ」
って、長年の経験から答えが出せるのだけど、
素人の僕らにそれ出来ますか?って話なわけ。
ところが、この神本を参考にすれば、僕ら素人でも、
「スパンがA、ピッチがB、荷重がC、材料のヤング率がXなら、このくらいのたわみなのか!それなら、梁の背はこれで、仕口の耐力がYだからゴニョゴニョ・・・」
って感じで、定量的なデータに基づいた数値が算出できるのです。
今回の垂木にしてもそうだけど、データに基づいた数値は安心感があります。
暗闇の中を手探りで進んでるようなセルフビルドならなおさらです。
さて、そんなわけで、
垂木の寸法は105mm角に決定したのですけど、それはイコール、
デッドストックの120mm角粗挽き材を、まっすぐで直角な105mm角に成形しなおす。
その数、22本。
ってこと。
柱の時と同じく、単調で、地味で、修行的性質な作業を再びやらなければならないってことです。
まあ、柱の時は4m材だったし、140mm角→120mm角に成形って感じで今回よりごつい寸法でしたから、それに比べるとかなーり楽に感じました。
4m材と3m材、たった1m短いだけで、粗挽き材料の曲がり&捻じれの強度が全然違って、3m材の方が断然木取りしやすいです。
それに、3m材だと、多少ねじれてたり反ったりしてても、手押し鉋だけで基準面を作れるし、粗挽きの寸法が120mm角あれば105mm角はほぼ取れます。(何本かは端の方に自動鉋がかからないとこがあったけど)
まあそれでも、なんだかんだ2日かかったけどな。
で、柱の時もそうでしたけど、このデッドストック達、基本的に役物的なグレードでして、節が少ないのです!
まじで、こんなきれいな檜、垂木に使って罰が当たらないだろーか?って思うレベル。
しかも14年乾燥モノって、いやー贅沢だわー。
あとはこの垂木を片方は勾配で切って、片方は直角に切って、棟木と上梁の材量が到着したらそれらを刻んで、板倉の板を作って・・・
って、
まだ結構やることあるなーこれ。
雇われの仕事も逆コロナショックでクッソ忙しいし、梅雨前に屋根張りまで行けるか微妙な気がしてきたぞ。
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