ブログには書いていなかったのですが、入籍に伴い、僕らが正式に母屋に住むことになりまして、この夏から母屋のリフォームに本格的に手を付け始め、壁紙を剥がしてしっくいを塗ったり、家具の配置を変えたり、いろいろとねちねち作業をしています。
2階の2部屋は、片方を彼女の裁縫部屋(去年から洋裁教室に通い出して、どっぷりはまっているようです)に改装が完了し、彼女曰く、「常に布とか出しっぱで作業できるのが最高!」らしい。
で、もう一部屋は寝室にすることにして、30年の経年劣化ではがれかけた壁紙をすべて剥がしまっさらにしたところに、しっくい系の塗り壁材を塗り、電球をアンティークのシャンデリアに替えて、ダブルサイズのベッドを置くことにしました。
それでそのベッドっつうのが、安価な既製品では到底使えないような無垢の素材をぜいたくに使い、小屋セルフビルドで培った技術と集めた中古大工道具をフルに投下して、材木削りから刻み組み立てまで、正味4日間かけて、じっくり丁寧に作った、僕の渾身の作なの。
材料はセルフビルドの延長で廃業材木屋のデッドストックを引き続き使わせてもらってるのでほぼタダといってもいいんだけど、粗挽き製材を自動鉋にかけて、直角を出して、墨付けして、ホゾ穴掘ってっていう手間が割とかかってますーション化の時代と真逆の、超手作業なねちねち作業。逆に言うと、これが欲しかったらもう自分で作るしかない時代なのかも。
いやまじで、贅沢すぎる仕様だろこれ・・・
柱の杉は無節の役物杉だし、サイドフレームも特一等級とかと比べるとだいぶ節が小さ目の桧だし。
フレーム間1160mmに渡してある43mm厚の無垢の板は、杉メインだけど全然たわみません。
それに何といっても、引き出し支持フレームと引き出し正面に使った米松の柾目30mm厚とか、これ、使えんぞ普通。引き出しの材料だけで数万吹っ飛ぶレベルの材料だもん。でも寸法安定性は柾目なだけあってめっちゃいいです。デッドストックの中にこの板があってホントよかったー!!
というか僕これ、我ながら、いつのまにこんなにDIY極めたんだろうか。
図面も方眼紙にサッと手書きでやった割に、細部の納まりもしっくりくる感じに仕上がったし、ホゾとかの精度が我ながらめっちゃ上がってます。小屋セルフビルドを通して、そういうところの勘がかなり鍛えられてる気がしてます。
また、頭側の脚とフレームの接合は小屋でも使ったパイプ羽子板の加工を施して強度を出しています。こういうところは、小屋つくりの経験値が生きてますね。まあベッドとしては過剰品質なのは言うまでもありませんが(笑)
で、
さらにこのベッドに載せる布団がこれまたちょっとこだわりの逸品でして、結婚記念ということもあって、ちょっといいやつを載せています。
いや、それだと言い方に語弊があるかも。
正確には、職人が手作業で打った昔ながらの普通にまっとうな布団、というべきか。
「昔の人が普通に使ってた普通の綿の布団」といえば、特に贅沢でもないですかね。価格も3万円いかないくらいで、別にそんなに高くないしね。
でも今はみんなニトリとかで買うので、布団を作る職人さんが激減してて、中でも今回お世話になった職人さんは、全国で数人しかいないとかいうなんたら賞(そこ大事だろ)を受賞した経歴を持つ生粋の布団職人さんらしくて、そういう意味ではとても贅沢な布団ということになるのかも。
その綿布団に、「パシーマ」とかいう綿のキルト的なシーツを敷いています。
今まで仮住まい的に暮らしていたこともあって、この一年間、僕らの寝具がリビングに座布団五枚敷いてその上に毛布敷くっていうすごく粗末なスタイルだっただけに、このガチな寝具の感動ははんぱなかったですね。
潜り込んだ瞬間に、
うはぁぁぁっ
ってなったもん。ほんと。
逆に、今までよくあの座布団スタイルで寝てたなあ。
あの幅に人間二人と猫一匹で(笑)
一方このダブルサイズのガチ布団ときたら、猫がどんだけ足を突っ張っても背中が寒くならない。もうそれだけで十分で幸せな上に、手打ちの布団の心地よさがだいぶ想像を超えてました。
もうちょっとこう、せんべい布団的な硬い感じを想像してましたが、結構ふわふわなものなのですね。
まあこれが数か月経つとへたってくるのかもしれないけれど、なるべくそうならないように天日干しを頑張るつもりの所存。
ガチの職人の打った布団は、僕らのQOLをかるく数段階上げてくれそうです。
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